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interviewee No.2
原 夏樹さん
原さんは青年海外協力隊としてボランティア活動の経験をお持ちです。 |
青年海外協力隊ではどちらへいかれていたのですか?
ドミニカ国(ドミニカ共和国とは別の国です)
カリブ海の小さな人口7万人ほどの国です。
またどんなお仕事をされていたのですか?
現在あるスタンドアロンの保健情報システムを、国内の病院・診療所からアクセス可能なWebシステムとして再構築する
先代JICAボランティア(自分で4代目)がこれまで構築してきたシステムのメンテナンス
その他、職業柄依頼されること(例えば、ウィルス駆除、PC修理やデータ入力支援ツールの作成等)
青年海外協力隊へ応募したきっかけは?
サラリーマン生活10年目にして、本当にこのままで良いのか?
音楽で生活していた時代には生活は厳しかったが、満足感・達成感は感じられていた。
しかし、今(当時)は生活は安定したが、ただ生活のために仕事しているように感じていた。
そうした漠然とした不安感の中、JICAシニアボランティアに3回行った友人の父親と会う機会があり、 活動の話を聞くうちに次第に国際開発分野に興味を抱くようになった。
一番苦労したことは何でしょうか?
1. 言語を含めたコミュニケーション
2. 日本ではどこでも売っているあたり前の物が手に入らないという環境
3. 日本の常識が世界の常識ではないということ
一番喜びを感じたことは何ですか?
・日本も含め先進国では当然と思える価値観が、全く異なるという環境を知れたこと。
・海外ボランティアとしての一人の個人が国の保険システムの一部を作り、それが国家レベルで運用されたこと(日本ではあり得ない、ある意味驚きでもある)。
・お金がなくても、物がなくても人間幸せに生きられるということを逆に教えられたこと。
青年海外協力隊での経験でご自身が変わった点はありますか?
・日本のように自分さえ頑張れば何とかなる環境が与えられているのとは違う環境に対する理解。
・物がない不憫な環境でも何とも思わなくなった。
・物欲がなくなった。
・人の幸せは物質的な満足感とは全く別の次元であると思うようになった。
・多様な価値観の存在を理解し、それを受容できるようになった。
・自分が井の中の蛙だったことに気づけた。
海外の高齢者の方の印象および海外からみた日本の高齢者の印象はどうでしょうか?
まさに高齢者やシニア時代といった表現が日本的(カテゴライズ好き)に感じる。現地では年齢はそれほど重要でない。
3年近く滞在したが現地人や他の先進国(アメリカ、カナダ、オーストラリア、フランス、チリ等)から来てるボランティアから、 年齢を聞かれたことはほとんどない(片手で数えられる程度)。
仕事でいえば、興味の対象はその人がいくつであろうがその仕事ができるかだけ。仕事に限らず、その人がどうかといった、ちゃんと個人に対して向き合ってる。
対して日本ではまず会えば年齢を気にし、もう何歳だからとかこうあるべき、あるいはそんな若者みたいなことができるような年齢ではない、といった会話をする傾向が強い。
日本は個人に向き合うよりは、年齢とか性別といった、ある意味、一種のカテゴリーに分け、ステレオタイプに入れようとする傾向を感じる(異端を許さないといった意味で)。
また、健康面に関して、日本は長寿自慢をしているが、実際は病院に生かされてる感じが強い。現地の医療レベルは日本のそれとは雲泥の差があるが、医者にかからずとも日本の平均寿命を昔から超えている。
そうした意味では、現地の方が高齢で元気な人が多い。性格も明るく、まだまだ若い者に負けん気も強い。
こうした点から、全般的な日本の高齢者の印象は、身体的には定期的に医者に通い、精神的にはストレスを抱えるなど、総じて暗く元気がない人が多い気がする。
分かりやすく例を出せば、マンゴーやココナッツを採るために木に登り、熱さを凌ぐため川や滝壺に飛び込み、土曜の夜はホームパーティーで朝まで呑んだり踊ったりしている、そんな高齢者は日本にはあまりいない気がする。
未だ考えたこともないと思いますが、遠い将来、どんなシニア時代を過ごせたら良いかと思いますか?
世界遺産の全制覇を目指す。
フットワークが軽く、自分の本当にやりたいことに対して貪欲で素直な(もうこんな年齢だからとか考えない)シニア。
心身ともに健康で生涯現役であるために、若い方から高齢者の方へのメッセージがあればお願いします。
生涯現役であるためですか。そんな人生の先輩方にもの言うのは気が引けるのですが...
病気自慢してる暇があったら夢を語り合いましょう。そしてその夢の実現のためすぐに行動に移しましょう。まだまだ今からでも遅くないです。
ありがとうございました。